非蒸発性熱交換量測定における熱流測定素子の応用
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概要
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非蒸発性熱交換量測定は難しく体熱平衡式から産熱量(M)と蒸発性熱放散量(E)を実測してその差として求めることが多い. この場合身体の蓄熱量(S)の推定が必要であり, 短時間の測定時には大きい誤差を生じる. 対流性熱交換量(C), 放射性熱交換量(R)を別個に或いは一緒にして平均皮膚温(T_sk)と環境温(Ta)の差に係数(h)を乗ずることによって算出する計算式も種々提唱されている. C算出の係数(hc)は風速, 圧力等の環境条件および体位, 運動等の身体的状況によって異なる. 更に同一風速において種々の環境温で測定したM-S-EをT_sk-T_aに対してプロットして直線で回帰するとT_sk-T_a=0でもM-S-E=0とならない. これはR+C算出の係数が環境温によっても変化することを意味し, 正しい体熱平衡の推定はR+Cを実測することによって得られることになる. そこで我々は熱流測定素子を用いて(R+C)の実測を試みた. 健康男子を被験者として圧力調節室内で実験を行った. 熱流測定素子はWinslow et al.(1936)の皮膚温測定部位にならい身体15部位に装着し, T_sk算出と同様の重みを乗じて身体の平均非蒸発性熱交換量(Q)とした. 温度, 湿度, 風速を一定に保った環境条件下に長時間安静にさせた平衡状態での測定においても, 環境温を急激に変化させた測定においても(R+C)はQとして実測できることが確認された.(1982年11月15日 受付)
- 1983-03-01
著者
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