超音波断層法による胎児のAnoperineogenital Image : 特に頭位について
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概要
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妊娠23週から41週までの長期間にわたって個々の妊娠週数毎の胎児陰嚢像・陰茎像・大陰唇像の作像可能率を求めた報告は見当たらない. ここでは妊娠23週から41週まで各妊娠週数毎の胎児陰嚢像・陰茎像・大陰唇像・M型像・F型像の作像可能率を求め, 各像を観察するのに最も適した時期を求める事を目的として本研究を行った. 620例の分娩について妊娠中に総計3,039回超音波断層法を施行し, 第1操作法(骨盤底APG横断操作)と第2操作法(骨盤底前額断断層操作)により, 胎児APG像を作像しM型像・陰嚢像・陰茎像・F型像・大陰唇像について妊娠週数毎の作像可能率を頭位について求めた. 誤認例・双胎例についても同時に検討し次の結果を得た. 1) 各妊娠週数毎の各像の第1および第2操作法による作像可能率が求められ, 各像を観察するのに適当な時期が求められた.2) 全体として, 頭位で90.4%(男性胎児), 95.6%(女性胎児)の正診率を示した. 3) 双胎は9例であり,2例(胎児数にすると18例中2例)は性別判定不能であり, その原因は破水による羊水の流出と妊娠早期の子宮内胎内死亡によるものであった. 4)誤認は6例であり, 男児を女児と判定しこのが6例中5例であった. これらの結果は頻回の検査により是正された。
- 産業医科大学学会の論文
- 1982-12-01