有機溶剤作業における労働衛生管理のための気液平衡推算法の開発

概要

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【はじめに】労働現場において使用される有機溶剤の大部分は混合有機溶剤である。混合有機溶剤は溶剤相互の影響により、その液組成、蒸気組成は理想溶液とは一般に異なる。有機溶剤の非理想性を表現する活量係数式には様々なモデルがあるが、混合有機溶剤に含まれる化学的基団に活量係数を割り当てたグループ寄与法を用いれば、気液平衡データなしで化学式に基づいて活量係数を求めることができる。これまで、我々はUNIFAC式を用いた気液平衡の推算について検討してきた。今回、有機溶剤中毒予防規則に定められている有機溶剤のうち、UNIFAC式のパラメータが決定されていないものに対して、最小二乗法によりパラメータを決定したので報告する。【実験】容量5mLのバイアル瓶にトルエンとN,N-ジメチルホルムアミドの混合溶剤を入れた試料を液組成を変えて作成した。これらの試料を25℃の恒温水槽内に1時間以上放置した後、ヘッドスペース50μLをガスタイトシリンジで取り、ガスクロマトグラフで測定した。【結果と考察】有機溶剤中毒予防規則に定められている第1種、第2種有機溶剤について、UNIFAC式のグループ相互作用パラメータをまとめたところ12個の組合せの未知パラメータが存在した。これらを決定すれば第1種、第2種有機溶剤の全ての気液平衡関係が推算可能となる。また、中災防の調査による実際の作業現場で使用される頻度の高い溶剤の組合せに限れば、未知パラメータを含むものはトルエン-N,N-ジメチルホルムアミド系のみである。そこで、文献値から最小二乗法によりこの系の未知パラメータ(CHO-(C)_3N)を求めた。文献値と計算値は良好に一致した。また、得られたパラメータを用いて計算した結果と実験結果も良好に一致した。
2002-03-01

有機溶剤作業における労働衛生管理のための気液平衡推算法の開発

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