身体障害者療護施設における「権利擁護」の現状と課題 : 「身体障害者療護施設居住者の生活と環境に関する2004年調査」と1992年調査との比較から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は、身体障害者療護施設居住者を対象に実施した2つの調査(1992年、2004年実施)の比較を通し、契約時代を迎えた現在において居住者の人権や権利はどのように守られているのかを検討することである。結果、1992年調査と2004年調査を比較すると、居住者のプライバシーの保護や自由度が増していた。これらは、人権意識の尊重という障害者福祉の理念の具体的な取り組みが影響していると思われる。一方、権利侵害と思われる事例の約半数が、居住者の自己決定が無視されているという結果も明らかとなり、苦情解決体制はほとんど利用されていないとういことがわかった。今後の課題は、サービスの決定過程における利用者参加や、権利擁護システム等の積極的活用、自立生活センター等と連携しながら施設の問題を地域の問題として考えていくことを検討していくことである。
- 共栄学園短期大学の論文
著者
関連論文
- 介護実習指導のあり方を探る : 実習施設指導者からのアンケート結果を踏まえて
- 身体障害者療護施設における「権利擁護」の現状と課題 : 「身体障害者療護施設居住者の生活と環境に関する2004年調査」と1992年調査との比較から