生命倫理的諸問題に関する看護職指導層の意識 : アンケート調査報告
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概要
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すでに大きな社会的論議の的になっている生命倫理的諸問題について、看護職がこれをどのように捉えているかを明らかにするため、アンケート調査を行なった。調査は無記名回答方式で、看護職指導層を対象とし、調査用紙は、1) 脳死、2) 臓器移植、3) がん告知、4) インフォームド・コンセント、5) 患者の人権についての憂慮、6) 回答者自身の体験の6項目で構成した。回答者は合計830名(回収率77.5%)で、その内訳は、看護管理者481名、スタッフ200名、看護教師140名(職位無回答9名)。おもな結果を示すと、脳死を人間の死として認める者と、現時点では認めない者がともに48%であった。後者は、"脳死判定の公正さ信用できぬ" をそのおもな理由としていた。臓器移植の推進に無条件に賛成した者は14%で、条件つき賛成派が77%であった。そのおもな理由とされているもののうち上位3位は、1) 医師の倫理教育の徹底、2) 大学等の倫理委員会が公正に機能すること、3) データをきちんと公開することであった。がん告知に無条件に賛成した者はわずか10%であったが、条件つき賛成が85%みられ、そのうち70%が"患者が自立していること"をおもな条件としていた。また、インフォームド・コンセントの推進については、56%の対象者が賛成していた。このほか、患者の人権についての憂慮、回答者自身の体験についての回答内容を分析し、あわせてその意味するところを考察した。
- 1992-11-30
著者
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