技術進歩の下での設備更新
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概要
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技術進歩によって原価低減や性能向上の期待される新設備が計画期問にわたって出現することが予想される時、現有設備の経済的更新を簡単な指標を通じて判定する問題を検討する。具体的には、次の問題を考える。ある光学機械のアルミ・ダイカスト部品の平面削り、穴あけ、ネジ切りを行うのに、従来、フライス盤、ボール盤、タップ盤が使用されていた。この加工方法では、1。精度がでにくい、2。治具費が高い、3。運搬、測定、段取り等の工数がかかる、4。スペースが必要等の欠点が指摘されていた。そこで、これらを改善することを目的として、この工程を6ケ月後に横型マシニングセンターに切り替える問題を検討している。上記の様な原価低減を目的とした設備更新では以下の点が重要になる。技術進歩の下で設備は絶えず陳腐化の危険にさらされているので、意思決定者は設備の陳腐化の状態を絶えず把握して、この情報を現在および将来の決定に適宜反映させていくことが必要となる。特に、意思決定者にとって、設傭を現在更新するかどうかは、緊急かつ最も関心の深い問題となる場合が多い。しかも、この決定は将来とられる一連の決定に依存するという性格をもっている。本研究では、陳腐化の状態を把握する一つの簡単な評価基準を導出し、意思決定者が計画期問中のすべての更新時点の系列を決定しなくても、これによって現在更新するかどうかの決定を容易に下すことの出来る状況を明らかにしている。次に、この評価基準のパラメトリック解析を通じて、設備が少なくともいつまで保持されるべきか、あるいは、少なくともいつまでに更新されるべきか等のような、次回の更新に関する情報の得られることを示している。さらに、計画期間中の更新の密度を表わす指標として更新回数の上限を求めている。これらの情報は意思決定者の更新計画の指針となるであろう。最後に、前述の問題に対する適用例を示し、種々の感度分析を通じて本方法の特性を調べている。その結果、現在の決定はパラメーターの変化に対して比較的安定していることが示される。
著者
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