完全観測の下でのアルコフ的劣化システムの最適発注・取替政策 : I
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概要
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本論文では、0:新品、1、……、S:劣化、S+1:故障の、S+2個の状態をもつ連続時間マルコフ的劣化システムを取扱う。従来マルコフ的劣化システムの取替問題は少なからず議論されているが、そのほとんどが取替のためのスペアーシステムが常時、即時手に入るという仮定の下でなされている。現実には、スペアーの入手には、無視できない時間を要することも多い。そこで、ここではこのような状況を考慮し、スペアーの最適な発注時期および予防取替時期を定めることを問題とする。最適政策は、無限期間における単位時間当たりの期待費用を最小にする意味で定義され、問題はセミーマルコフ決定過程によって定式化される。稼働費用、取替費用に対し、システムが劣化システムであることを意味する合理的な仮定の下で、(n、N)-政策の最適性が示される。(n、N)-政策は一種の制御限界政策であり、その下では、スペアーの発注は、システムの状態がn+1以上になったときになされ、また取替は、N+1以上はなったときになされる。さらに、(n、N)-政策の下での期待費用が陽に得られる。
- 社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会の論文
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