円環的生涯発達支援としてのメンタリング・プログラムに関する考察 : 米国の事例を中心に
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概要
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メンタリング・プログラムはとりわけ米国において1980年代以後さかんになっている。これらのプログラムの有効性に関する評価研究に基づき、メンタリング・プログラムは改革され進化してきた。世界の国々でのメンタリング・プログラムの証明された有効性にもかかわらず、日本の教育研究はメンタリングおよびメンタリング・プログラムにほとんど関心を示してこなかった。本稿は米国におけるメンタリング・プログラムの進化と成果を分析し、円環的生涯発達支援としてのメンタリング・プログラムの重要性を検討するものである。円環的生涯支援には二つの次元が含まれる。一方では、若年のメンティーが経験豊かなメンターによって支援され助言され、またそのことがメンター自身の生涯発達を促すということがある。他方、支援関係としてのメンタリングの経験は、自身が受けたメンターの親切に報いようと自身が新たなメンターとなっていくメンティーによって、次世代にも繋がっていっている。こうしたメンタリング・プログラムの実践と証明された有効性は、日本における生涯発達支援プログラムのための地域、学校、企業の連携の可能性として貴重な示唆を提供している。
- 日本教育学会の論文
- 2002-06-25
著者
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