多変量解析による高校生の食味嗜好性の検討(第1報)
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概要
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1.高校生 (年齢15〜17歳)男子229名,女子300名を被検者として、甘・酸・塩(鹹)・苦味品について食味嗜好調査を行った。2.被検者を健康診断等の資料に基づき、嗜好因子として欠席日数別、貧血の有無、部活動の有無、性・学年別、ローレル指数別の5項目に類別した。3.被検者の食味嗜好度を変量に選び、上記の嗜好要因別に林の数量化理論第III類を用いて解析を行い、その嗜好食品を布置した。I軸に対する固有値は、欠席日数別、貧血の有無、部活動の有無、性・学年別、ローレル指数別に、それぞれλ_1=0.494、λ_1=0.544、λ_1=0.734、λ_1=0.451、λ_1=0.276であった。同じくII軸では固有値が、λ_2=0.360、λ_2=0.320、λ_2=0.282、λ_2=0.223、λ_2=0.189であった。I軸は5項目とも性別による嗜好差を表し、II軸はそれぞれ欠席日数別、貧血の有無、部活動の有無による嗜好パターンの相違を表すものと解釈される。なお、性・学年別、ローレル指数別による分類については、II軸の明確な解釈は得られなかった。4.被検者はI軸でほぼ男女の嗜好パターンに分類可能で、男子の嗜好食品の多くは塩味品、女子の嗜好食品の多くは甘・酸味品であった。5.被検者はII軸で欠席日数別、貧血の有無、部活動の有無による嗜好パターンに分類可能であった。欠席頻度を表す嗜好因子は、甘味品への嗜好と関連性が認められ、貧血の有無、部活動の有無による嗜好因子は、酸・塩味品への嗜好と関連性が認められた。またローレル指数別、学年差によって、食味に対する嗜好差は認められなかった。
- 1988-12-20
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