ライプツィヒにおける書籍文化の歴史
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概要
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書籍都市としてのライプツィヒの牽引力となったのは、「大学と見本市」の存在である。ルターの宗教改革は、同市の書籍業者たちの果たした影響力を無視しては語れないだろう。17世紀になって「ライプツィヒ書籍見本市」は、「フランクフルト書籍見本市」よりも重要になり、第二次世界大戦直後までそれが続く。19、20世紀のライプツィヒの個性あふれる出版業者のうち、「レクラム」社と「インゼル」社の初代社主を紹介する。レクラムは「文庫本」の考案によって大量出版への道をひらき、市民の教養をおおいに向上させた。キッペンベルク(インゼル)は読書の喜びをつねに念頭においた「美しい収集文庫本」を出版した。第二次大戦直後ライプツィヒの書籍業者たちは、米軍によって意図的に西独地区へ移住させられる。その結果冷戦下の東西ドイツに、同名の出版社が活動し、それは「ドイツ統一」まで続いた。今後のライプツィヒ市に期待されるものは、書籍文化都市の伝統に立つ、あらたなメディア都市としての役割であろう。
著者
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