奄美群島におけるミカンコミバエの根絶経過
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概要
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奄美群島のミカンコミバエの防除は,メチルオイゲノールを利用した雄除去法により,1968年に開始され,1974年から同群島全域の一斉防除を行った。防除は,テックス板,木綿ロープ,綿棒の素材にメチルオイゲノールと殺虫剤の混合剤をしみ込ませて,航空散布および地上吊り下げにより定期的に実施した。その結果,1976年以降発生はほとんど認められなくなったので,1977年から1979年まで根絶確認のための調査を実施した。本調査は,寄主果実に対する調査を主体とし,トラップ調査を補助的手段として行った。1977年には,喜界島および奄美大島について実施したが,わずかながら本種の発生が認められ,まだ根絶されていないことが判明した。1978年には,喜界島,奄美大島および徳之島について,30万個以上の果実調査と,118個のモニタリング・トラップによる14回の成虫回収調査を実施し,1979年には,沖永良部島および与論島について,83,000個の果実調査と,30個のトラップによる17回の成虫回収調査を実施した結果,ミカンコミバエは全く認められず,根絶を確認した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1982-02-25
著者
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脇 慶三
鹿児島県大島支庁
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潮 新一郎
農林水産省門司植物防疫所
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吉岡 謙吾
農林水産省門司植物防疫所
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中須 和俊
農林水産省門司植物防疫所
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潮 新一郎
農林水産省門司植物防疫所:(現)農林水産省横浜植物防疫所