うつ病治療の課題
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概要
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著者はまずはじめに,米国とわが国のうつ病の治療アルゴリズムについて検討し,米国のアルゴリズムではSSRlの中をどのように使い分けたらよいのかが不明確であり,またわが国のアルゴリズムでは米国にはないスルピリドが取り上げられている点を指摘した.アメリカでは三環系抗うつ薬後はSSRIとSNRIが主流となり,わが国では四環系抗うつ薬が主流となり最近になってSSRIとSNRlが登場してきている.米国のアルゴリズムでもわが国のアルゴリズムでも,うつ病の重症度は考慮されているが,うつ病の症状の種類や発症年齢などが考慮されていない点に問題が残されている.今日においても,重症うつ病,遷延うつ病,軽症うつ病の治療は重要である.また今後は最軽症うつ病および老年期うつ病への対応は一層重要となろう,わが国では精神科や心療内科のクリニックが開業ブームにあり,今後は最軽症うつ病および老年期うつ病の患者はこのようなクリニックを受診しやすくなることであろう.他万で老年期うつ病は身体疾患のかかりつけ医にはじめに受診する可能性が高い.したがって,身体疾患のかかりつけ医はうつ病,特に老年期うつ病の診断と治療について熟知していることがますます要請されていく.
- 2002-09-01
著者
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