ネダニ Rhizoglyphus robini CLAPAREDE の薬剤抵抗性 : I.有機リン剤に対する抵抗性
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概要
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沖縄,鹿児島,高知,福井,千葉の5県7か所から採集したラッキョウ,ニラ,フリージア,ユリに寄生するネダニの有機リン剤に対する感受性を検定し,抵抗性の実態および薬剤の化学構造と抵抗性の関係を明らかにした。1) 千葉系統を除く各系統のネダニは広範な有機リン剤に対して抵抗性を発達させており,従来から使用されてきたdisulfoton, dimethoate, fenitrothionによる防除効果はほとんど期待できないと判断された。2) 千葉系統を除く各系統の薬剤感受性スペクトルには類似性が認められた。これは限定された数種類の有機リン剤を長期間使用してきたことに原因があると思われ,また各系統に共通した主要な抵抗性機構が関与していることが示唆された。3) 抵抗性の発達程度が低い薬剤は,phosphorothionate型でヘテロ環および環状化合物とのエステル,phosphorothiolothionate型およびphosphorothiolate型でヘテロ環で置換されたチオアルコールおよび非対称型化合物とのエステル,phenylphosphonothionate型および一部のphosphate型の化合物に限定された。このなかでpyrimiphos-methyl, chlorpyrifos-methyl, chlorpyrifos, salithion, methidathion, phosmet, azinphos-methyl, prothiophosおよびTIA-230は抵抗性ネダニに対して有効な薬剤であると考えられた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1986-11-25
著者
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