北海道における針葉樹の球果・新梢を食害するツマクロテンヒメハマキについて
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概要
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ツマクロテンヒメハマキPetrova monopunctata OKUは従来害虫としてはあまり注目されてこなかったが,北海道において針葉樹の球果・新梢の重要害虫であることがわかった。この種の成虫・幼虫・蛹の形態を記載するとともに,生活史の概要を明らかにした。ソ連邦沿海地方から記載されたPetrova pini KUZNETZOV, 1969はP. monopunctata OKU, 1968の新参シノニムであるとみなした。成虫は年1回,5月初旬から6月中旬にかけて出現する。幼虫はモミ属,トウヒ属,マツ属,カラマツ属の球果・新梢に潜入する。8月に加害部位中に白色の繭を作り,その中で蛹化する。越冬は蛹態で行われる。北海道ではツマクロテンヒメハマキ以外に針葉樹の球果・新梢を加害する小蛾類は11種記録されている。被害調査時に問題となる幼虫の識別点を,形態の調査ができなかった2種を除いた10種について明らかにした。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1986-11-25
著者
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