変態期のエリサン脂肪体細胞に観察された血球細胞の微細構造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
変態期のエリサンの脂肪体細胞に接して出現する3種の血球細胞の電子顕微鏡観察を行なった。第I型の血球細胞は,脂肪体細胞質にみられる,いわゆる“脂肪球”に一致する3種のリピッド様小体と不定形の内容物を含む液胞体を包含している。これらの血球細胞は,入戸野(1960)によって分類されたカイコの“顆粒細胞”に相当するものと考えた。第II型の血球細胞は,リゾゾーム様小体を包含し,細胞内小器官の発達は不良である。これらの細胞もまた,別種の“顆粒細胞”であるかも知れない。第III型は紡錘形でその表面に仮足を有し,粗面小胞体やゴルジ装置も発達している。この細胞をプラズマ細胞と推定した。これらの血球細胞は,変態期には脂肪体細胞の細胞質の捕食ならびに“connective tissue sheath”の再生に関与しているものと思考した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1969-03-25
著者
関連論文
- 幼若ホルモン活性物質の投与後の蚕体内分布と排泄
- バッタの卵巣の神経分泌支配に及ぼす成熟雄成虫の影響
- 86 カイコの幼虫脱皮と蛹化脱皮期の絹糸腺の組織学的変化(昭和37年度日本農学会大会分科会)
- 18 カイコの卵殻の組織学的ならびに組織化学的観察(昭和33年度日本農学会大会分科会)
- カイコの中腸皮膜組織のfreeze-etching法による電子顕微鏡観察
- 変態期のエリサン脂肪体細胞に観察された血球細胞の微細構造
- カイコの絹糸腺細胞におけるDNA合成(遺伝・細胞・生態)