摂食障害の家族教室 : 家族の心理状態および家族機能との関連
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概要
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心理教育的アプローチは, 生物・心理・社会的枠組みで行われる治療の有効な一手段であり, 的確な情報の提供と問題解決, 対処資源の獲得を目指した集団療法的な介入をいう.われわれは摂食障害の家族に対して心理教育的家族教室を行い, セッション前後で家族の情緒状態や家族機能, 患者の症状の変化を検討した.対象は28名のDSM-IV摂食障害の家族で, 月1回2時間計5回の家族教室を4クールに分けて行った.その結果, セッション前後で家族の心理状態に改善がみられ(POMS), 家族機能にも有意な変化がみられた(EEおよびFACES).患者の客観症状評価には変化がみられなかったが, 家族による患者評価は改善を示した(ABOS).家族教室後は各尺度間の相関傾向も弱まった.心理教育的家族教室により家族の苦悩度が低下し, 病気や症状への巻き込まれが減り, 家族機能や病状認知の肯定的な変容が導かれたことが示唆された.
- 日本心身医学会の論文
- 2001-03-01
著者
-
上原 徹
群馬大学医学部神経精神医学教室
-
後藤 雅博
新潟県精神保健福祉センター
-
川嶋 義章
新潟大学医学部精神医学教室
-
河内 博子
新潟市民病院小児科
-
田崎 紳一
新潟県立小出病院
-
後藤 雅博
新潟県立精神保健福祉センター
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