身体イメージと内科的疾患
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概要
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一般内科に精神医学的概念を応用できるかどうかを評価するために, 計画された一連の調査の一部として, 124名の内科入院患者が彼らの身体について抱いている感情が測定された。身体イメージ得点は, 患者が50項目の体の部分や機能に対する態度を自分で記入したものから得られた。これらの得点は, 調査面接, 医学的記録, および医師達の評価などから得られた情報と関連づけられた。身体に対する比較的な不満足感は, 全体として被験者に見られた。内科に入院している患者達の得点は, 他の調査者によって精神科の患者から得られたものと比較できるものであった。そしてそれらの得点は, 健康な人々から得られた得点よりも低い値を示した。内科患者のほとんどは, 病気にかかっている体の部分に対して不満足感を集中させていた。しかし20%の患者は非常に低い得点を示した。そのことは, 体の多くの部位や機能に大いに不満であることを示している。この特異性の欠如は, 全体としての肉体に対する陰性感情の拡がりを反映している。そしてそのことは身体イメージの価値を低め, 感情的不快のひとつの要素となっている。このようなネガティブな身体イメージと精神病理学的な臨床所見との間に相関が認められた。かなり大きな身体イメージの相違が両性の間に存在する。女性達は, 自分達の身体に対して, 男性よりも有意の差でより強い不満足感を持っている。そして女性達の身体に対するネガティブな態度は, 病気の状態や心理的な幸福感と, 男性において認められる以上に密接に結びついている。女性においては, ネガティブな身体イメージは, 高度の不安, 人生のいろいろな領域で不運な効果を及ぼしているものとして病気を受けとること, 増大する依存性, 病気の重篤度や予後に対する構えの歪曲などと関連している。さらに男性におけるネガティブな身体イメージは, 病気の方向とは無関係であるがしかし, 年ととることと高い社会経済的状態との相関が認められた。この研究は, 患者の身体に對する感じを意識してコトバで報告することが有用であることを示した。
- 1968-12-01
著者
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草野 忠良
九州大研医器医学医学部心療内科
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Schwab John
Department of Psychiatry, Miller Health Center, University of Florida
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Harmeling James
Department of Psychiatry, Miller Health Center, University of Florida
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Schwab John
Department Of Psychiatry Miller Health Center University Of Florida
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Schwab John
Department Of Biomedical Engineering University Of Tennessee Health Science Center
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Harmeling James
Department Of Psychiatry Miller Health Center University Of Florida
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