投資としての花嫁持参財 : 南インド・ナガラッタール・カーストの婚姻
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概要
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本稿は南インドのナガラッタール(Nagarattar)・カーストの間に流通する様々な「花嫁持参財」(シール・ダナム,sir danam)をカースト集団と親族関係とのかかわりにおいて考察するものである。第1章では先ずインドにおいてこれまで論じられたシール・ダナムに関する諸説を検討し,整理する。第2章においては筆者が調査した商業カーストのナガラッタール事例の中で,妻の生家が果たす新世帯への経済的支援が考察され,第3章では,ナガラッタールの,他に類例を見ない詳細な結婚契約書類が具体的に考察される。更にナガラッタールのシール・ダナムの主だったものが論じられ,投資材としてのシール・ダナムは,同時にナガラッタールの既婚女性の高い地位を支える点が論じられ,花嫁持参材と共にカーストという閉じられた交換関係の中で流通する「富」が女性であるという点が述べられている。
- 日本文化人類学会の論文
- 1994-06-30
著者
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