宗教的・経済的自律性と妻の地位 : 南インド,ナガラッタール・カーストの事例研究
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概要
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本稿は南インドの商業カーストであるNagarattar(ナガラッタール)の既婚女性の高い地位を支える要因を2つの側面から考察する。先ず,ナガラッタール・カースト成立とほぼ同時に出現したとされる女性のための宗教イニシエーション施設マダム(matam)を中心に,女性の宗教的自律性について考察する。次に,カースト内婚と交叉イトコ婚の選択により形作られる親族関係に注目し,男系/女系の両系による明確な財産相続システムが,既婚女性の経済的自律性を支えている点を論じる。母方祖母-母(娘)-孫娘の間の女系財産相続ラインと,兄弟/姉妹の同盟関係による通世代的な母方親族との関係が,ナガラッタールの既婚女性の高い地位を支えているのである。
- 日本文化人類学会の論文
- 1995-06-30
著者
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