耳鳴,めまいの基礎と顎機能異常(<特集>顎機能異常(顎関節症)と関連医学の接点を求めて)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
顎機能異常は耳鳴やめまいのような耳症状を時に伴う.顎機能異常がこのような耳症状の原因であるのか,ストレスのような共通の原因で顎機能異常と耳症状が同時に引き起こるのかは十分解明されていない.最近の研究では顎機能異京に耳症状が有意に合併すること,顎機能異常の治療後に耳症状が改善するグループが存在することが明らかにされ,顎機能異常と耳症状の間の因果関係が見直されている.1934年にコステンが顎機能異常に随伴する耳症状を報告した後,多くの仮説が提唱されているが,どれも満足のいくものではなかった.顎機能異常と同じく耳鳴やめまいの発生機序は不明瞭で,多様な原因で発症しうる.このような理出で両者の因果関係を理解することは困難を伴う.我々は純音聴力検査,ティンパノメトリーを使用して,顎機能異京の耳鳴の伴う部と伴わない部で聴覚的に比較検討したが,両部に差を認めなかった.めまいは白熱治癒の傾向が強いので,今回は検対していない.顎機能異常と耳鳴の間の因果関係を明らかにするには歯科医と耳鼻咽喉科医の協力が必須であるが,歯科医は耳鳴やめまいの基礎的な知識を必要とし,一方,耳鼻咽喉科は顎機能異常の基礎的な知識を必要とする.耳鼻咽喉科医の立場から,歯科医が顎機能異常を診断するのに必要な耳鳴やめまいの基礎的な知識について述べた.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 2003-12-25
著者
関連論文
- 本邦における埋め込み型骨導補聴器 (Bone-Anchored Hearing Aid : BAHA) 治験 : 補聴器との比較について
- 本邦における埋め込み型骨導補聴器 (Bone-Anchored Hearing Aid : BAHA) 治験 : 片側聾への評価について
- 噴射式基準嗅力検査の測定方法に関するガイドライン
- プロスタグランジンD2-CRTH2を介するT細胞応答
- プロスタグランジン D2-CRTH2 を介する鼻アレルギー応答の解析
- 207 FcγRIIBを介する鼻アレルギー感作の制御
- 感音難聴児の聴力の経時的観察
- 378 マウススギ花粉症モデル作成の試みとCRTH2の関与についての検討(動物モデル5,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 305 IPSEによるin vivo Th2応答の制御(アレルゲン,抗原5,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 79 鼻茸形成におけるプロスタグランジン合成酵素の役割(Chemical mediators及びその類似物質,一般演題(口演),第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 糖尿病患者における側頭骨顔面神経管内の血管変化
- 深頸部膿瘍を疑われた川崎病の1症例
- 当科における小児人工内耳例の変化 : 新生児聴覚スクリーニングによる影響
- 先天性疾患における内耳形態異常
- 滲出性中耳炎動物モデルにおけるCOX-2の発現
- 255 慢性(好酸球性)副鼻腔炎における合成酵素発現を指標としたPGD2の病態への関与
- 254 慢性(好酸球性)副鼻腔炎における合成酵素発現を指標としたPGE2の病態への関与
- 264 ヒスタミンH4レセプターアゴニストによる抗原特異的リンパ球応答の調節
- 66 ヒト鼻粘膜線維芽細胞のRATES産生におけるヒスタミンの影響
- 293 遊離型糖鎖を用いたCryj1構成糖鎖のIgEエピトープ活性に関する検討
- 291 遊離型糖鎖によるCryj1特異的T細胞応答の制御
- 人工内耳装用児の発話明瞭度の検討
- 人口内耳装用児と補聴器装用児の語音明瞭度の比較 : 第2報
- 人工内耳装用児と補聴器装用児の語音明瞭度の比較
- 新生児聴覚スクリーニング後の聴覚評価
- 改造型デジタル骨導補聴器を装用した2症例の検討
- 補聴器装用閾値の経時的観察
- ダニ抗原刺激による抹消血B細胞のCD80, CD86の発現 : ダニ鼻アレルギー患者と健常者における比較検討
- 耳鳴,めまいの基礎と顎機能異常(顎機能異常(顎関節症)と関連医学の接点を求めて)
- 鼻茸におけるMnSODの免疫組織化学的局在
- 本邦における埋め込み型骨導補聴器 (Bone-Anchored Hearing Aid : BAHA) 治験 : 補聴器との比較について
- 第50回日本鼻科学会