ヴィゴツキー理論から見た発達保障(<特集>発達保障論の諸相と課題)
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概要
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ヴィゴツキーは、人間の発達に対してすぐれた理論(方法論)を構築した心理学者として知られている。彼は「内的論理」「超補償」「一次的障害と二次的障害」などの興味深い概念を用いて、人間の「障害」と「教育」の問題について本質的な議論を展開した。その主張は次のようにまとめられる。1)「障害」は所与のものではなく発達の過程で生み出される、2)「障害」は個人に所属するものではなく、他者や社会との間に立ち現れてくる、3)発達を質的に評価するならば、障害児における、一見すると微々たる進歩に見える発達にこそ重大な価値がある、4)すべての人間は能動的生活に参加する欲求と能力をもっている、5)教育は、能動的生活への参加の能力が発揮されるような活動のデザインを基盤に据えるべきである。これらは日本における発達保障論の思想的展開の歴史との間に多くの共通点をもつと同時に、心理学理論としての発達保障論の構築に向けて豊かな示唆を与えてくれる。
- 全国障害者問題研究会の論文
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