インスリン非依存型糖尿病患者におけるLp(a), RLPについての臨床的検討

概要

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インスリン非依存型糖尿病患者(NIDDM)において動脈硬化促進リポ蛋白であるリポ蛋白(a)[Lp(a)]とレムナントリポ蛋白コレステロール(RLP-ch)を同一検体で測定し,以下の結果を得た。(1)血清Lp(a)値と血清RLP-ch値間には有意な相関関係は認められなかった。(2)血清Lp(a)値では高脂血症合併の有無に関わらず糖尿病群,非糖尿病群間では有意差は認められなかった。血清RLP-ch値では高脂血症合併の非糖尿病,糖尿病の2群では非糖尿病正脂血症群に比べ,有意な高値であった。(3)糖尿病性腎症では病期の進展とともに両値ともに高値となる傾向が認められた。(4)両値とHbAI_<1c>値との間には有意な相関関係は認められなかった。以上よりNIDDMにおいては血清Lp(a)値と血清RLP-ch値は各々独立した動脈硬化促進因子であり,血清RLP-ch値がより高脂血症合併の影響を受けることが判明した。また,尿中アルブミン排泄増加とともに両値とも高値となる傾向があったことより,腎症悪化とともに動脈硬化症進展の危険性が増すことが示唆された。さらに両値と血糖コントロールの間には関連性が低く,両値の是正には血糖コントロールのみでは不十分であることが示唆された。
関西鍼灸大学の論文
1995-10-25