看護基礎教育における「ヒヤリハット」防止の教育方法の検討 : トランスファー場面の分析を通して
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概要
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基礎看護学実習における学生の「ヒヤリハット」体験を分析した結果、トランスファ一時の「ヒヤリハット」が53.3%を占めていた。そこでこれに焦点を絞って分析し、5つの具体的な危険因子を抽出した。その結果、「ヒヤリハット」はこれら5つの危険因子が複雑に絡み合って、複雑な状況で起きていることがわかった。それを解決するために看護基礎教育でできる医療事故防止のための、具体的な教育方法を工夫して試みたところ以下の事が明らかになった。(1)体験学習から、学生は人の身体の重さ、身体バランスの悪さを実感することができた。またトランスファー時、安定した姿勢で行うにはボディメカニクス活用の必要性が認識でき、知識と体験とが合致し、理解が深まった。(2)学生が実習で体験した「ヒヤリハット」を実例教材として提示し、グループ討議をすることで、「ヒヤリハット」は「自分にも起こり得ること」と捉え、思い込みや不注意などの危険性が認識できた。以上のことから体験学習や実例教材を使ったグループ討議を行うことが、学生の「ヒヤリハット」を防止する上で有効であるとわかった。
- 聖隷クリストファー大学の論文
- 2002-12-20
著者
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