『北京官話 今古奇觀』の言語について
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概要
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『北京官話 今古奇觀』は金國璞の手による『今古奇觀』の翻案本である。及匯園(『川?巷博曄囑論人』、『噴眉隻励槙劾爺』を収める)は1904定(明治37年)、第二編(『葡弌麓氏竃芳燕』、『山暴垤際突御麼』を収める)は1911定(明治44年)にそれぞれ上梓されている。金國璞の翻案の目的はその書名が示すとおり、北京官話のテキストとして世に供することであり、当然当時の北京官話の実態を反映しているものと思われる。本稿は下に示す北京語資料および普通話との比較を通してその言語の性格を探ろうとするのが目的である。言語的特徴において本書と比較的よく一致しているのは『小額』であり、この二書が同一の北京語内方言地区の言語によるのではないかという推測は一応成り立つ。しかしながら、それを確定するためには更に多方面からの調査・分析が不可欠である。筆者はこれまで『眉論励吶』『凰囂仟園』など清末のいくつかの北京語資料についてその言語を記述してきたので、今後はその結果を基礎に北京語の全体像を捉えることを目指したいと考えている。
- 2004-09-01