大学4年間における日本人英語学習者の口頭による語彙記述技能の習得に関する縦断的実証研究 : 2年目の中間報告

元データ 1995-10-31 北海学園大学

概要

本稿では,北海学園大学人文学部1期生の4年間における口頭表現力,特にストラテジーの習得と言語的特性(形態素,統語,語用のレベルを中心に)の発達に関する実証研究の2年目の中間報告を行う。1年目と2年目に収集したデータの質的,量的比較検討を行い,大学入学後1年間で発達した言語的特性を検証したが,データの収集の方法として,被験者に10の語彙項目を制限時間内に口頭記述し,定義する作業が与えられた。質的分析の結果,使用されたコミュニケーション方略の中で「回避」や「話題の放棄」などの消極的方略が全体的に減り,「記述」で説明しようとしたり,自分なりの英語を作り上げようとする「造語」が多く観察され,被験者の言語的創造性の緩やかな発達が確認できた。また顔の表情や態度,ジェスチャーにもゆとりが現われ,発音も明確になり,話すテンポも軽快になった被験者も確認できた。量的分析の結果,正解項目を排除した選定単語数で増加が確認され,口頭発信技能の量的変化が確認された。文法エラーの被験者全体の平均発生頻度は減じた。また日本語の挿入が多くなった一方で,ジェスチャーが大幅に減少し,非言語要索に対する依存から脱却した語彙的,統語的,更に語用的なレベルでの進歩的な発達が観察された。

著者

小林 敏彦 北海学園大学英米文化学科

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