現代社会における「グループ」の意味と福祉社会への展望への一試論
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概要
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現代社会において個人と社会のかかわりをいかに捉えるかということは,大きな問題になっていると言えるだろう。本論においてはそうした問題を「グループ」として取り上げる。「グループ」とは,単に集団を言い表わすわけではない。確かにその概念的な理解として集団を表している場合が多いようであるが,個人と社会の問題を考察する際にはそれでは足りない。むしろグループをどのように生きるかということを明らかにすることによって,人間における個人と社会の二重性,つまり人間の社会的事実性を明らかにし,そのことによってアクチュアルな「グループ」が明確化される。そのことを明らかにすることによって社会を問い返し,社会福祉(social welfare)と人間のwell-beingの実現される福祉社会への展望が開かれるのではないかと考える。人間のwell-beingが実現される福祉社会を理念的な理想社会に留まらせることなく,現前する社会として捉えるための一試論である。
- 上田女子短期大学の論文
著者
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