精神遅滞児に対するインターベンションの在り方 : コミュニティ心理学による体系化の試み
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概要
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プリペンションによる予防,インターペンションによる危機介入,ポストペンションによる事後援助といった防止手続きは,精神障害者や自殺企図者などに対するアプローチとして非常に有効なものである.しかし,精神遅滞児に対する場合,上記のような明確な時間経過による治療・教育は困難に近く,そのまま適用することはできないように思われる.つまり,インターペンションの段階において,同時進行的に, 治療的(corrective), 予防的(preventive), 機能的(optimizing) といった複数の機能を運用させなければ,十分にその成果を達成することはできないのである.すなわち,治療・教育活動そのものが他の予想されうる危機状態の予防ともなり,また,外的な条件整備も行わなければその治療成果の般化は期待するほどの効果を上げることはできないものとなってしまう可能性が高い.このように精神遅滞児に対するインターペンションは,精神障害者に対するそれほど,その介入すべき程度,対象などについての体系化が十分にはなされていない.そのため,本稿においては,コミュニティ心理学のインターペンションのとらえ方を紹介しながら,精神遅滞児に対するインターペンションの在り方と,実際の担い手となる教師などのインターペンションに関する研修システムの検討を行うこととしたい.
- 熊本大学の論文
- 1992-02-29
著者
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