アメリカ合衆国におけるリーディング・リカバリーの展開:学習障害児の読み書き能力の育成に焦点をあてて (資料)
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概要
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リーディング・リカバリーとは、小学校の低学年段階において読み書きを困難とする子どもを対象におこなわれる回復プログラムである。本稿では、リーディング・リカバリーのアメリカ合衆国における成果について、従来ならば学習障害と診断されてきた子どもたちの読み書き能力の育成という観点から考察した。アメリカ合衆国においては、従来、読み書きに困難を有する子どもの多くが学習障害という一つの障害カテゴリーに位置づけられ、通常クラスから切り離されるかたちで障害児教育を受けてきた。だが、リーディング・リカバリーの実践が普及するにつれ、学習障害概念の捉え方に変換を迫る一つの動きがうまれている。すなわち、学習障害の認定を固定化・永続化するのではなく、個々の子どものニーズに即した指導のあり方を見直すことを通して、読み書き能力を向上させ、できるだけ多くの子どもを通常クラスへと包み込むことが志向されるようになったのである。
- 全国障害者問題研究会の論文