コモンスクール改革期の制度理念「コモン」の「理想」に関して : 「教育における共通」考
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概要
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周知のように、アメリカ公教育史においてマサチューセッツ州義務教育法(1852)に至る画期をなしたのは、19世紀前半期のコモンスクール改革である。それをリードしたのが「天賦人権を認め、その実現のために教育の機会・教育の平等の理想を標榜しつづけた」公教育の父ホーレス・マン(Horace Mann 1796-1859)であった。しかし、そのような近代公教育原則に通底する制度原理の生成は、従来より改革者マンの教育思想の「理想」や人道的資質に漠然と負うと考えられた。また、そうではないと指摘する場合でも、それほど明らかに実証しきれてはいなかった。本稿は、その点をかんがみ、近代公教育原則に通底する制度原理の生成をマン自身の求めたコモンスクール改革の主要な制度理念「コモン」の「理想」の現実としてとらえ、その歴史的特質を実証的4こ明らかにしていくものである。
- 1997-01-25
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