「子ども自身の病気の認識」に関する研究(人間科学編)
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概要
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小児の病棟における我々の経験,および文献から,子どもは,自分の病気について自分なりの考えやイメージ2をもち,それが子どもの入院中の行動に大きく影響していることがわかる。したがって,子どもが,自分び.病気をどうみているかを知り,そのみかたを助けることは,小児看護において重要な子どもへの援助の一つであると考える。しかし現実の看護実践の中で,この問題について看護者がどう考え,どのように子どもにはたらきかけているのかは,我々自身の過去の実践をも含めて,明確にされてはいない。そこで我々は子ども自身が病気をどうみているかを探る前の段階として,これまでの看護実践の中で,この問題がどう扱われてきたかを明らかにし,今後の研究の方向性を明確にしたいと考える。そのために,小児の看護実践における研究の主要な発表の揚である,日本看護学会小児看護分科会の第1回(1967年)から,第13回(1982年)に発表された演題763題を検討した。(このうち第1回から第6回までは母性小児分科会となっているが,その全演題を含めた)そして,「病気」「疾病」「疾患」「病識」などの語を用いて 「子どもが自分の病気について知っていることや考えていること,抱いているかんじやイメージ,意志や願望」 (以下「子ども自身の病気の認識」という)にふれてじる研究36題を抽出し,研究資料とした。この36題のうち,3題は「子ども自身の病気の認識」そのものを研究対象としており,24題は「子ども自身の病気の認識」形成のために看護者が何らかのはたらきかけを行ったと考えられるものである。このうち17題は,自分の病気についての事実を認識させる積極的なはたらきかけについて述べており,7題は,事実に制限を加えた保護的はたらきかけについて述べている。9題は,焦点を他の問題にあてた研究であり,一部分で病気の認識にふれてはいるが,その意図や援助内容の記述はなかった。しかし,病名や看護上の問題は,前記の積極的はたらきかけを行ったとする群,または,保護的なはたらきかけを行ったとする群のものと共通していた。
- 千葉県立衛生短期大学の論文
著者
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吉田 由美
東邦大学医療短期大学
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吉田 由美
千葉県立衛生短期大学(看護学)
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梶山 祥子
東邦大学医療短期大学
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草場 ヒフミ
千葉県立衛生短期大学小児看護学
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草場 ヒフミ
神戸大学
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梶山 祥子
千葉県立衛生短期大学小児看護学
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