沖縄県渡名喜村における学校、地域との連携による思春期体験学習事業の現状と課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
渡名喜村は地理的特殊性から過疎化が進み閉鎖性が強く、又、少子高齢社会の中で交流範囲が制限されている。中学生は、高校進学のため沖縄本島での生活を余儀なくされ、自主自立が求められている。母子保健上の気になる点は、父親の育児への参加が少なく、乳幼児と中学生のふれあう機会が少ない等の声がある事である。 渡名喜村において、平成10年度および平成11年度に以下の目的で思春期体験学習事業を実施した。 (1)中学生が生命の尊さや保護者・地域住民への感謝の気持ちの大切さに気づき、思春期からの父性・母性の健全育成のための契機とする。 (2)保護者などの地域住民が子育てネットワークづくりについて考える機会にする。 体験学習後の中学生24人と保護者および地域住民36人を対象に行った質問紙による調査をもとに思春期体験学習事業の結果について検討したところ、中学生の体験学習後の感想から、乳幼児や家族、育児、親などに対する認識が変わってきていること、又、保護者および地域住民の感想から、家族や地域ぐるみでの子育て支援体制の必要性が示唆された。