セイロンベンケイソウの組騨音養に関する基礎的研究(第1報) : 葉からのカルス形成に及ぼす培地組成条件の検討
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概要
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セイロンベンケイソウの旺盛な個体再生能力がin vitro(試験管内)でも自然条件下と同様に認められるかを調査するために、まず、葉の切片からのカルス形成を促進する培地成分について検討した。様々な植物成長調節物質の影響について検討した結果、オーキシンの2,4-D、サイトカイニンのBA、カイネチンをMS培地に添加した区でカルス形成が認められたが、BA、カイネチ/添加区で形成したカルスはコンパクトで硬く、旺盛な増殖を示さなかったのに対して、2,4-D添加区で形成したカルスはフライアブルで軟らかく、旺盛なカルス形成を示した。そして、カルス増殖は、2,4-Dの添加濃度が高くなるにしたがって、旺盛になる傾向が認められた。天然のオーキシン(IAA)、天然のサイトカイニン(ゼアチン)、ジベレリン酸、アブシジン酸にはカルス形成を促す効果はまったく認められなかった。糖類については、しょ糖20〜40g/l添加した場合に、最も旺盛なカルス形成が示された。また、MS培地の無機塩類のなかで、硝酸カリウムはカルス形成に不可欠な成分であることが明らかになったが、硝酸アンモニウム、塩化カルシウム、リン酸二水素カリウムは無添加の区でもカルス形成が認められたことから、カルス形成には特に重要な役割を果たしているわけではないことが明らかになった。MS培地の鉄源(硫酸第→鉄およびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム)は、カルス形成を促進する効果はないが、カルス形成に必要な成分であることが示唆された。培地凝固剤として使われる寒天の濃度は、カルス京成には影響を及ぽさないことが明らかとなった。また、活性炭はカルス形成に必要な成分を吸収してしまったため、その培地への添加は望ましいものではなかった。
- 2001-12-30
著者
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