「ドーヴァーの岸辺」と時代精神 : 十九世紀イギリスの裏面(第1部)
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概要
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国家の思想的大転換期にあって、その国の国民が如何なる対応をしたか。わが国の太平洋戦争後の急激な思想的転換に際して国民がとった態度と、十九世紀中期におけるイギリス国民を襲った価値転換の衡撃に対する態度とを比較してみる。その例を、特に多感な壮年期に経験した知識人マシュウ・アーノルドの場合について考察する。彼の絶唱と称される「ドーヴァーの岸辺」を分析することによって、伝統的価値観(キリスト教の信仰)がどのように動揺し、その中で旧来の主導的価値観がどのように潜在して生きのびて未来への希望につながっていったか、その一面を明らかにしようとする。この詩の特性をアーノルドの人格形成の過程と併せて考察し、国民的特長を解明する手がかりにしようとする。
- 1996-12-10
著者
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