モンテーニュ,見上げる目,見下ろす目(4) : 『エセー』における「見る」行為と斥斥けられた「見上げる目」の対照性
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概要
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作品には,全体にわたって見出される支配的な要素と,例外的な要素がある.何れもが,その作品の特性を表わす要素として注目に値する.『エセー』においては,「見る」行為と,「見る」行為の戒めがそれらである.この場合,モンテーニュが一方では「見る」ことを重視して積極的に行い,他者にもそれを期待し,勧めているのに対し,他方では特定の事柄に限り「見る」ことを斥けているだけに,その対照性が双方を際立たせる.本稿ではこの対照性について考察したい.
- 広島大学の論文
- 2001-12-28