イシダイ卵・仔魚の発生にともなう比重変化
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概要
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魚卵・仔魚の輸送に関する基礎的知見を得るために,飼育イシダイが自然産卵した卵とそれから孵化した仔魚の密度を, Density-Gradient Column法により測定した.卵の密度は,発生初期から中期には,産卵が行われた水槽内の海水密度よりも小さかったが,発生後期に増加を始め,孵化するまで増加し続け孵化時には飼育海水よりも大きくなっていた.仔魚の密度は,孵化後10分以内に,発生初期〜中期の卵と比べて小さくなった.このような密度変化は,卵・仔魚の浸透圧調節の機能と能力が発生とともに変わるためであると推論した.これらの結果はまた,イシダイの卵および孵化仔魚が発生にともない分布深度を変えることを示している.海洋においては水平流の向きあるいは速さが深さにより異なる場合があることから,それら卵・仔魚は発生を続ける間,常に一様に輸送されるとは限らないと考えた.
- 近畿大学の論文
- 1990-03-20
著者
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