IDSS環境下の対話型意思決定分析支援プログラム-IDASS-の開発について
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概要
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意思決定問題は代替案の中から最適戦略を選択する問題であるが,不確実性下の決定分析においては,不確実事象のもとで生起する結果の評価に関して状況対応に直面する意思決定者(DM)のリスクに対する態度の特性を考慮することが不可欠であり,このためには単なる数学的期待値に代えて期待効用値による評価が必要となる。本稿では,このような不確実性下の決定分析を支援するためにIDSS環境下での運用を想定した新しい対話型意思決定支援コンピュータ・プログラムIDASSを提案し,その特徴を論じる。知的意思決定支援システムIDSS(Intelligent Decision Support Syustems)とは,あいまい環境下の状況変化に迅速に対応しうるために,デー夕べース管理システムの保全と,公理的な知識ベースの処理を特徴とし,かつ意思決定シェルにおける評価者の独自の判断機能の行使と結合する,コンピュータ支援によるDSSとして提案されたものである(Seo & Nishizaki 1992)。IDASSは,このようなIDSS環境のもとでの意思決定者ないしその補助者による確率的な期待効用原理に基づく決定分析のために,理論的な基礎上でのオペレーショナルな支援を行うことを目的として開発されたコンピュータ・プログラムである。不確実性下の意志決定分析のための対話型コンピュータ・プログラムの開発の代表的なものはR. Shlaiferらのハーバード・ビジネス・スクールのグループによるMANECON Collection (1971)である。IDASS(Interactive Decision Analysis Support Systems)は,MANECONの基本構成をベースとしながら,その後のコンピュータ関連分野におけるダウンサイジングやGUI,オブジェクト指向言語などの飛躍的な進歩を踏まえて全面的な改訂を行い,オブジェクト指向型プログラミング言語C^<++>を用いて視覚的な図形表示と操作を可能にしている。これにより、実際的な評価が必ずしも容易ではない期待効用原理に基づく決定分析を、UNIXのオペレーションシステム上において容易にユーザによって処理しうるようになった。そのおもな特徴は,不確実性下のIDSS環境における対話型の分析と評価の機能の大幅な向上を達成していることで,決定分析そのものが有する対話型の効用関数および確率分布の発見的構成とその一貫性チェックの過程が,選好評価と確率評価との双方において,コンピュータ上の視覚的な操作によって行われるようになっていることであり,この意味で真の対話型の決定分析を遂行しうる機能を有していることである。
- 摂南大学の論文
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