床固工群による河床安定効果について(I) : 河床変動の特徴
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概要
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床固工群による河床安定効果を検証する目的で,施工域における河床変動の実態を明らかにし,変動の特徴を考察した。現時点での河床高と計画河床高を比較したところ,上下方向に最大で1.5〜2mの変化が認められ,こうした変化は約500mのサイクルで生じていた。また,河床低下の著しい区域は施工域の上流端であった。50〜200mの間隔で河床変動断面積を経年的に算出した結果,施工域の上下端で変動規模の低減が認められ,一断面当りの変動量は未施工区域を下回ることが判明した。1982〜87年にかけての年間河床変動量をみると,施工域の中央部分ではほとんど変動が生じていない。また,河床堆積礫の粒径調査の結果,堆積傾向を示す区域では粒径20cm以下の細粒礫が半数近くを占めていることが認められ,堆積・洗掘域が広範囲に続いていないことから,施工域に流入した土砂のうち,細粒の妙礫だけが施工域のなかを間断的に移動すると推察された。河床変動が生じているのは現流路付近に限られ,横断形状を一変させる規模の変動は発生していないことが明らかになった。
- 岐阜大学の論文
- 1990-12-25
著者
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