低ダム群による土石移動抑制効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
低ダム群施工区間と自然状態の渓床拡幅区間において,土石流堆積物に含まれる転石(直径60cm以上)の分布と混入率を調べて,土石の分散堆積の実態を明らかにし,低ダム群による土石の移動抑制効果を検討した。その結果,低ダム群区間の中央部より下流では直径200cm以上の転石は見あたらず,混入率も2%にまで急激に低減することが明らかになった。自然状態の渓床拡幅区間では直径260cmの転石が最下端まで流出し,混入率は4-8%の間で波状に分布していた。低ダム群区間では,側方部分の堆積断面に細粒砂層の介在が認められ,堆積が不連続に進行したものと思われる。また,入口付近に見られる転石の集積は土石流ヘッドの分解を意味している。したがって,土石が分散して堆積し,転石は中央部より上流で移動を停止したと推察される。自然河道での移動抑制率は70-30%に過ぎないが,低ダム群区間では90%以上に達し,低ダム群による抑制効果がうかがわれる。
- 岐阜大学の論文
- 1988-12-25
著者
関連論文
- インタープリベント2000
- ハザードマップをベースとした渓流制御に関するワークショップ
- 粉砕材吹付け法面での植生復元状況と生育基盤特性について
- INTERPRAEVENT 2002 スタディツアー報告 : コースE2 焼岳と上高地
- 粉砕材吹付け法面でのハギ類の生育状況と凍上抑制効果
- オーストリア国ザルツブルク州における危険区域図に関するワークショップ
- 土石流危険渓流における危険区域設定手法について :オーストリアでの国際ワークショップの議論を中心として
- 床固工群による河床安定効果について(I) : 河床変動の特徴
- 山地小流域における土砂の生産・流出について : 災害後の土砂流出の実態
- 低ダム群による土石移動抑制効果
- 柏尾谷扇状地の二次侵食と土砂害防止
- 河床礫の粒径特性からみた扇状地の土砂移動
- 養老扇状地における砂防ダム配置の特徴
- 砂防ダム施工区間における渓床横断地形と渓床変動
- ドイツにおける「入林権」と「休養林」の法的取扱いについて