在宅高齢者と介護老人保健施設入所者の主観的QOLについて : Visual Analogue Scaleを用いて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,異なる生活環境下で高齢者の主観的QOLについてどのような違いがあるのかを検討する目的で,在宅高齢者64名(平均年齢73.8±4.9歳)と施設入所者31名(平均年齢85.8±5.1歳)を対象に,Visual Analogue Scale(VAS)を用い,主観的QOLについて調査した.主観的QOLの項目は,健康度,気分,家族関係,友人関係,経済状態,生活満足度,幸福感の7項目で,それぞれについて自分の現在の状態が最低の状態(0)〜最高の状態(100)で表されている物差しスケール(VAS)のどこにあてはまるかを被験者に記入してもらった.その結果,経済状態において,在宅高齢者群よりも施設入所者群の方が有意に高く,経済状態には満足していると考えていた.これは,施設入所者は,在宅高齢者に比較して,施設で生活していることで毎月の支出が安定しており経済状態に関しての満足感が得られていることが考えられた.また,在宅高齢者を高齢前期群(65〜74歳)と高齢後期群(75〜84歳以上)に区分し比較すると,生活満足度において高齢後期群の方が,高齢前期群よりも有意に高かった.これは,高齢前期群は,これからの老年期における生活に対し,健康や経済状態,社会関係などのあらゆる面で不安を感じているからではないかと考えられた.
- 秋田大学の論文
- 2003-03-31
著者
関連論文
- 臨床実習前後における事例提示を用いたワークショップ形式の授業の試み : 学生の自己評価の変化と感想をふまえて
- 臨床実習に際して, 学生はどのような目標を持っているか(第2報) : 過去の学生と最近の学生との比較より
- 在宅高齢者と介護老人保健施設入所者の主観的QOLについて : Visual Analogue Scaleを用いて
- 痴呆高齢者に対する集団訓練が生活行動に変化をもたらした一症例
- 老人クラブ所属の在宅高齢者における精神的健康度について
- 痴呆高齢者のコラージュの特徴と分析
- 高齢者からみた回想法
- 老人保健施設入所者における興味調査
- 在宅高齢者と介護老人保健施設入所者の主観的幸福感の比較検討 : Visual Analogue Scaleを用いて
- Care Article 介護老人保健施設入所者の主観的幸福感が意味するもの--在宅高齢者との比較検討