シゲリクラマゴケモドキ(Porella densifolia var. fallax)の2種の新規エント-カウラン型ジテルペノイドの構造
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概要
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苔類(Hepaticae)は、鮮類(Musci)と共に鮮苔植物(Bryophyta)と呼ばれ,種子植物(Spermatophyta)と藻類(Algae)との中間に位置づけられ、系統学的に文化の古い植物群である。通常の高等植物が複相(2n)の造胞体(sporophyte)であるのに対し、苔類の普通の植物体は単相(n)の配偶体(gametophyte)である。その配偶体の細胞中には種に特徴的な油体(oil bodies)が含まれている。このように苔類は生物学的に高等植物に比較して大きく相違しているので、新規な代謝産物の存在が予測される。事実、苔類から多様な生理活性物質が単離されており、苔類は重要な遺伝子源植物と言える。著者らは、苔類の抽出物から他植物の育成に影響を与える種々の生理活性物質を単離・構造決定して、苔類が生物の多様性の中で他の生物と共に自らの生活圏を維持していることを明らかにしている。今回、著者らは苔類の化学成分に関する研究の一環として、シゲリクラマゴケモドキ(Porella densifolia var. fallax)のテルペノイドの研究を行い、2種の新規なジテルペノイドを単離した。絶対配置を含めたそれらの化学構造を化学的および分光学的手法を駆使して決定した。
- 1994-05-31
著者
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