ツボゴケ(Jungermannia rosulans)のテルペノイド : 新規ラブタン型ジテルペノイドの単離と構造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
苔類は系統学的に分化の古い植物群で,分類学上は種子植物(Spermatophyta)と藻類(Algae)との中間に位置づけられている。苔類の通常の植物体は単相の配偶体(gametophyte)であり,その細胞中には種に特徴的な油体を含んでいる。このように苔類は植物学的に高等植物に比較して大きく相違しているので,新規化学成分の存在が予測される。事実,苔類から生理活性を有する多数の新規化合物が単離・構造決定されている。それらの化合物の中には,他の植物や微生物の成長を抑制して自分の成育環境を維持しているものもある。したがって,苔類は重要な遺伝子源植物とされている。今回,著者らは苔類の化学成分に関する研究の一環として,ツボミゴケ(Jungermannia rosulans)のテルペノイドの研究を行ない,ラブダン型の新規ジテルペノイドを単離して化学構造を(+)-13-エピースクラレオール(1),(+)-3-オキソーイソマノール(2)および(+)-3-オキソ-ユソゲルマノール(3)と決定したので報告する。
- 1993-07-15
著者
関連論文
- シゲリクラマゴケモドキ(Porella densifolia var. fallax)の2種の新規エント-カウラン型ジテルペノイドの構造
- ツボゴケ(Jungermannia rosulans)のテルペノイド : 新規ラブタン型ジテルペノイドの単離と構造