看護専門職の自律性に影響を及ぼす要因の分析 : 急性期病院の看護婦を対象にして
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概要
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本研究は急性期病院における看護婦の自律性の程度や特徴と,それに影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。調査対象は,急性期病院6施設で病棟勤務をしている,婦長,主任などの職位につかない看護婦を対象にした。自律性の下位尺度からみた研究対象者の特徴は,権利や承認を与えられ,他者からの拘束や制限が少なく,責任をもって仕事を成し遂げようとしているが,実践における能力,技術,熟練に関連するレディネスと,自己尊重や,達成感,満足感,有能さなどに関連する価値は低い傾向であった。自律性と有意な相関(p<.001)がみられたのは「看護婦としての自己実現」(r=.73),「自己効力self efficacy」(r=.48),「臨床経験年数」(r=.30),「ローカス・オブ・コントロールLocus of Control」(r=.27)であった。またリーダーとしての役割をもつ看護婦の自律性が高いことが明らかになった。重回帰分析の結果,看護婦の自律性に最も強い影響力を示したのは,「看護婦としての自己実現」(β= .61)で,さらに「自己効力self efficacy」(β=.17),「臨床経験年数」(β=.12)そして「リーダーとしての役割」(β=.10)が影響要因として採択された。
著者
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