自我とコモン(common)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人間は自我を確立し、自律した。自我を確立した人間は、同時に、自我だけでは完結しえないということもまた自覚している。そうした自覚が自我を普遍性への探究へと駆り立ている。すなわち、主観性を発揮する自我は客観性である「我・我」の世界のひとつの形態である社会で生きているということを確証しなければならない。というのは、自我の主張が強くなるほどに対極にある普遍性という問題が大きくクローズアップしてくるからである。では、自我が自我として存在しつつ普遍性のなかで生きるということはどのようにして可能であるのか。こうしたことを考えていくためにコモン(common)という考え方から自我と普遍性(のひとつの形態である社会)について考察しようとしたものが本論文である。自律した自由な自我がそれ自体で絶対的普遍を形成するのではなくcommonのなかで自立しつつ、共同・協働する自我であること、すなわち、自我の境位としての社会の問題を示そうとしたものである。それは自我と社会との関係が非連続的に連続していることを確認させるものである。
- 沖縄国際大学の論文
- 2003-03-31
著者
関連論文
- ヘーゲル『法の哲学』における道徳性
- ヘ-ゲル「精神現象学」における人倫概念-1-
- 『ドイツ・イデオロギー』における交通形態の基底
- ヘーゲル『精神現象学』における"感覚的確信"の意味
- 理性と感性の綜合としての「実践」概念
- カリクレスの誤謬(下)
- カリクレスの誤謬(上)
- 自我とコモン(common)