地域流通構造の変化と経営転換 : 開業率・廃業率の推移を中心に
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概要
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企業の開業・廃業と開廃業率の動向は、環境変化に対応した多様な企業活動のダイナミズムを集約的に示す重要な指標の一つである。我が国でも環境変化に伴って、開業率と廃業率の逆転現象が進展しており、新たな中小企業像と政策理念が提示されている。本稿では、沖縄県の開業・廃業率が全国的に最も高い水準で推移していること、同指標の分析や活用に関心が乏しいこと等に着目して、「卸売・小売業、飲食店」及び「小売業・サービス業」を中心に関連する事業所統計を収集整理し、開廃業率を時系列比較及び産業別・規模別・組織別に分析することで地域特性の究明に接近するとことを試みた。本稿では、開廃業の特質が、流通・サービスに傾斜した産業構造を土台に狭小な地域市場の範囲で、多数の地域・生活密着型の小規模零細事業所の存在と競争環境を反映しおり、独特のダイナミズムを以て変容していることに言及し、今後の小売経営の方向性を示唆した。官庁統計による詳細なリサーチに加えて、具体的な実態究明には実証研究を積重ねる必要がある。
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