現代農村家族研究の視角
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概要
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高度経済成長後の農村家族は、兼業化の進展、都市的生活様式、成員の個人化や平等化の浸透をいっそう深化させ、そのかたちを大きく変容させてきた。こうした変容の過程で、現代日本の農村家族の規定をめぐっても、さまざまな議論がなされてきた。今日の農村家族の変化を都市的家族、近代的家族への移行期に位置する「過渡的」形態とするもの、また農村家族の生産や生活の営みのなかに都市家族とは異なる農村家族「固有の論理」を見い出し都市家族との異質性を指摘するものなど、その視点は多岐にわたる。本稿では、こうした近年の農村家族研究をふまえ、それらを検討していくことで、これからの農村家族研究の意義、可能性について考えてみたいと思う。
- 2003-03-25