「もみぢ葉もぬしなき宿はなかりけり」 : 古典語における「は」「も」の共起に関して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現代語において「AもBは」という形式をとる、『彼も数学は苦手だ。』『そっくりな二人も、歯の色は違う。』『あの鬼社長もカミさんには滅法弱い。』『君もやる時はやるんだね。』のような諸例には、共通した或る特徴的な意味構造が見出される。そしてそれは、ここに現れている助詞「も」「は」がそれぞれ、「極端例の提示」および「対比・限定」という含みを帯びることによってはじめて明示され得るものと考えられる。本稿ではこのような現象と、その要因について、古典語、とりわけこの形式を意図的に修辞技法として用いたと見られる古典和歌に遡って検証することをその目的とする。
- 熊本大学の論文
- 2003-03-25
著者
関連論文
- 平安朝屏風歌詞書の叙述様式 : 動詞叙法、とりわけ助動詞「けり」の使用をめぐって
- 比較を視点とした文体の形成に関する研究(平成14年度研究プロジェクト報告)
- 「多係助詞構文」という視点 : 三代集における「も」と他の係助詞との共起
- 古典和歌における形容詞の格と表現形式とに関する問題--万葉集、三代集を例に
- 「内在記憶」と「外来情報」 : 上代語助動詞「き」「けり」の意味領域に関して
- 「めのまへ性」という観点の導入による、古代語助動詞の分類に関する一卑見
- ハモ構文の表現機構 : 古典語における「は」「も」の共起に関して(その二)
- 「もみぢ葉もぬしなき宿はなかりけり」 : 古典語における「は」「も」の共起に関して
- いわゆる「気づきの『けり』」再考 : その諸相、および他の諸用法の中での位置づけをめぐって
- いわゆる「気づきの『けり』」再考 : その諸相、および他の諸用法の中での位置づけをめぐって