小売構造の変化に及ぼす消費者行動の影響 : 大型化の進展を中心として
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概要
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本論文は,先に発表した拙稿において課題として残された,小売構造の大型化等の構造変化に及ぼす消費者行動の変化の考察,および消費者行動の変化と小売構造の変化の因果関係を明確にすることを目的としたもので,日本の小売構造の変化の分析を巡る研究の一環である。昨年6月,長らく続いてきた大規模小売店舗法が廃止され,代わりに大店立地法が施行されるなど,小売業を取巻く環境は大きく変化し,小売業における大型化は今後ますます進展すると予想されている。かくして,本論文は,その主たる目的として,消費者行動とこれに影響を及ぼす様々な環境要因との因果的関係を踏まえながら,消費者行動の変化と大型化の進展を中心とする小売構造の変化との因果関係を,実証分析を行うことで明らかにし,吟味しようとするものである。本論文の流れは大きく次の3つに整理される。第1に,小売構造と消費者行動の因果関係に関する既存研究のレビューが行われる。第2に,既存研究のレビューを基に,分析枠組と仮説が設定され,操作的規定,統計的分析が行われる。具体的には,都道府県別データによる第一次分析(因子分析および回帰分析)と都市別データによる第二次分析(共分散構造分析)の2種類の分析が行われる。第3に,これらの統計的分析の結果から,結論が導出され,小売構造の変化に及ぼす消費者行動の影響に関するモデルのより一層の展開が図られる。
- 慶應義塾大学の論文
- 2001-10-25
著者
関連論文
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