保険会社による遺伝子情報利用の妥当性に関する一考察 (前川寛教授退任記念号)
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概要
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現在,日本では,欧米諸国と比して,遺伝子をめぐる諸問題がそれほど顕在化していない。しかしながら,遺伝子学ならびに遺伝子診断技術の進歩は近年めざましく,廉価かつ簡便に多くの遺伝子情報を得ることができるようになるとされる。臨床において遺伝子診断のルーチン化が進めば,人びとがその情報を利用することは不可避となり,保険加入・雇用・婚姻といった様々な場面で,遺伝子差別が表面化する恐れがある。本稿は,遺伝子をめぐる諸問題のなかから,遺伝子情報と生命保険業の問題に焦点を当て,日本において,保険会社が遺伝子検査結果を危険選択に際して利用することは,妥当と考えられるか,また,その制約要因,ならびに,前提条件とは何かを検討する。
- 慶應義塾大学の論文
- 2001-02-25
著者
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