労災保険制度とメリット制 (前川寛教授退任記念号)
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概要
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労働者災害補償保険が特徴的なのは,メリット制が採用されていることである。本稿の目的は,メリット制の本質および機能を保険学的観点から分析し,政府労災保険においてこのシステムの存在がいかなる意義を有するかを自動車保険のそれと比較することを通じて考察することである。とくに,保険制度においてメリット制は,モラリティとコントローラビリティの観点から評価することができる。しかしながら,労働災害の危険度と賃金水準の関係を見る限り,公平な所得再分配が必ずしも行われていないことから,政府労災保険の生活保障機能を重視するという観点からすると,メリット制の有効性は十分に評価できるとしても,メリット制に安易に依存することは避けるべきである。
- 慶應義塾大学の論文
- 2001-02-25
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