中国経済建設における毛沢東路線について : 生計保障と中国の経済発展
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中国の経済建設の進め方を巡って毛沢東路線と非毛沢東路線という二つの政策が対立していた。毛沢東は「人民公社」という所有制度の設立,国営企業での社会主義的な経営及び「大躍進」に代表される大衆運動を主張し,そのような政策を積極的に実施したが,非毛沢東路線の集団はそれらに反対し,時期を見つけて相反する政策を実施した。毛沢東路線が主導する時期における業績は,非毛沢東路線のそれに比べて著しく劣っていたが,「人民公社」や国営企業における生計保障機能を維持するために,毛沢東は経済効率を犠牲にして自分の路線を断固として押し付けた。同様に国有企業の従業員の生計保障を維持するという理由で,現在の中国における社会主義の堅持や公的所有制度の維持といった事態が発生すると考える。したがって,徹底的な市場化を通じて持続的な経済発展を実現するために,経済組織から生計保障機能を分離させることは中国の経済改革における至急な課題となる。
- 2000-02-25
著者
関連論文
- 中国経済建設における毛沢東路線について : 生計保障と中国の経済発展
- 中国農村土地所有権と労働配分・経済発展
- 梭子村曽氏一家の衰退史からみた戦前中国地主のプロファイル
- 中国の企業改革における民主的な管理